台本「コーヒー」

台本「コーヒー」

1人でも2人でも3人でも読めるように作りました。
口調などの改編可能。自由な世界観で読んでください。

■ナレーション
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A「貴方と2人きりの世界だったらよかったのに」


そう呟いた事が私の罪ならば……。
貴方の罪はどこにあるのだろう?

B「それなら世界を壊せばいいのか」


なんて真剣に言うから私は笑ってしまって。

A「まずは日本からかなぁ」

B「すると、どこからだろう?」


秘密の計画を立てる無邪気な子供のように笑い合う。

A「んー。東京タワー」

B「スカイツリーじゃなくて?」

A「スカイツリーがあったって、東京タワーは大事だよ!」

B「ほかには」

A「東京ドーム? ディズニー?」
A「あぁ、国会議事堂かな? ゴジラがそうだもんね! ゴジラ!」

B「なるほどね」


貴方はそう言うとゆっくりと私の頭を撫でて、その指の優しさにまどろみに落ちていく。

朝起きて、ゆるく瞼をこする。
リビングに向かうといつも通りコーヒーのいい香り。

A「おはよぉ」

B「ああ、おはよ」


差し出されたコーヒーを一口すする。ふいに、慌ただしげなテレビの音を拾った。
ゆっくりと視線を向けると、そこでは国会議事堂が燃えていた。

A「……え」


ギチギチと壊れた人形のように首を回すと、貴方は穏やかに笑っていて。

B「うん」


ガチャとコーヒーカップの倒れる音が耳の奥から消えなかった。

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