青い涙のペンダント

青い涙のペンダント
ステンドグラス職人の先生が開いていたグラスアート教室というものに参加したことがあります。色とりどりのガラスのかけら(予め危険がないようにされている)を選び、洗い、銅のテープを巻き、フラックスという液体を塗ってハンダづけするのです。あまり器用でない私には溶けるハンダの扱いが難しく、ハンダごてでの火傷も怖かったので、2回ほどでやめてしまいましたが、そのときに作ったのが写真のペンダントです。かつて好きだったあるファンタジーのライトノベルで、語り部の吟遊詩人が青い涙の形の装飾品を身に着けているという設定があったので、そのイメージで作りました。人前で朗読するときには、いつもこれをお守りとして着けていました。みずから実行委員も務めていた某福祉関係のイベントでの自作朗読で1度、より公開性の高いポエトリーリーディングの場で3度――。物怖じてばかりの私が、無茶をしたものです。お客様から高評価もいただきましたが、もうあんなことはすまいと決めています。しかしこのペンダントには愛着があり、捨てがたく思います。在りし日の形見です。

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